各地で問題化するリニア新幹線工事の中止を求める声明

各地で問題化するリニア新幹線工事の中止を求める声明

JR東海の金子慎社長は 5 30 日の定例記者会見で、静岡県内のリニア新幹線工事の着工が遅 れていることについて、「未着工の状態が続くと(2027 年の)開業時期に影響を及ぼしかねない」 とし、「早く準備を整えトンネルの掘削工事の段階に進まなければならない」と述べた。これを受 けて石井国土交通大臣5 31 日の記者会見で、「リニア中央新幹線は国民生活や経済活動に大 きなインパクトをもたらす重要な事業である」とし、「静岡県内の工事を含む事業全体が円滑に進 むよう、引き続き必要な調整や協力を行っていきたい」と述べた。

以上の報道だけを見れば、静岡県の対応がリニア新幹線の建設促進を遅らせていると受けとられ かねない。しかし、JR東海リニア新幹線事業の環境影響評価をきちんと実施せず、手続き上の 必要性から工事実施計画を作成して申請を行い、これを国交大臣が認めたため着工を強行したこと から、品川~名古屋間の工事各所で様々な事故やトラブルが相次ぎ、工事の中断や遅れが起きてい るのが現状である。

もとより、静岡県内にはリニア新幹線の中間駅は出来ず、開業による地域振興などのメリットは 全くない。逆に、北部の大井川源流部で南アルプストンネルの一部が 10 キロ余りにわたってつく られ、そのことで大井川水系への地下水流入が最大毎秒3トン減水するとされ、その量は下流域の62 万人分の上水道水量に相当する。また、370 万立方メートルもの工事残土が源流部の燕沢河岸 に高さ 60m、長さ 700mの規模で積み置かれれば、大井川源流部の土砂崩壊や希少な生態系の喪 失につながる懸念がある。このような大きな被害が予想されることから、静岡県が専門家会議を設 け、JR東海に喪失される水量の全量を大井川水系に戻すよう求めているのは自治体として当然の 要求である。にもかかわらず、静岡県が専門家会議での意見をまとめた環境保全措置に関する 63項目の質問や環境保全対策の提示についてJR東海は誠実な回答を示していないのが現状である。 県民や自然環境に未曾有の影響を与える静岡県内のリニア工事について、JR東海が真摯な対応を 怠り、開業遅れの原因が静岡県の姿勢にあるように言い立てるのは筋違いである。ましてや、国交 省が静岡県内の工事推進のためにJR東海側に立って調整や協力を行うことは本末転倒であると 言わざるをえない。今こそ、国交省は原点に立ち戻り、静岡県や県民の声に寄り添いJR東海のリ ニア工事の環境影響を真摯に受け止め、国として工事認可を取消し、工事を中止させるべきである。

いま、名古屋駅や中間駅予定地周辺では、用地買収について住民の反対の動きが広がっており、 リニア供用後の騒音や振動対策の不備をめぐって訴訟も起きている。工事自体も、名古屋の名城非 常口の地下水流入、岐阜県山口工区でのトンネルの崩落や地表の大規模な陥没事故が発生している。 これ以上工事を強行すれば、地下水の噴出や枯渇、残土処分地探しなどの事態が起こり、工事関係 者の作業環境の悪化なども懸念されるのである。

リニア新幹線の開業が経済効果や地域振興につながらないことは既に明らかにされている。膨大 な建設費や国の3兆円もの財政支援があっても、工事の現状からみて 2027 年の開業は到底無理で あり、結果として沿線住民や自治体や住民に財政負担をもたらすことになることが確実だ。

非常口をつくり、南アルプストンネルや都市圏の大深度トンネルを掘りはじめてしまったら取り 返しがつかないことになる。私たち沿線住民は、JR東海がリニア工事を中止しリニア事業を撤回 するよう強く求めるものである。自治体や住民の声を受け止めるべきである。 以 上

       2019年6月7日 リニア新幹線沿線住民ネットワーク
              共同代表 天野捷一、川村晃生、片桐晴夫、原 重雄

 

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6.2(日)リニア中央新幹線の住環境破壊 -住宅直下の巨大トンネル(講演会)

 

リニア中央新幹線は世田谷区も「大深度地下」で通過します。JR東海はきちんとした説明もせず、いままさにトンネル工事を始めようとしています。

上に住む私たちの住居は安全だと言えるのでしょうか。陥没や地下水汚染、工事による騒音や振動、残土運搬車両による住環境の悪化が心配です。

今の民法、そして憲法にも反しているのではないのか、ともに考えましょう。

 

詳細:

【講演会(6/2)】リニア中央新幹線の住環境破壊 -住宅直下の巨大トンネル

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リニア工事、駿河湾に影響か 報道2つ

山梨県のリニア中央新刊線工事の影響が、早川から下って駿河湾に影響している、との報道を2点紹介します。2つ目は、サクラエビの漁獲率減少に影響していると指摘。


ダンプの列、残土の山 土ぼこり舞う川沿い 山梨・早川本流ルポ


静岡新聞2019/04/014/1(月) 9:26配信 )



<https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190401-00000028-at_s-l22.view-000>

(写真)
<https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190401-00000028-at_s-l22.view-000>
ニア中央新幹線のトンネル工事残土置き場周辺をひっきりなしに行き交うダンプ
カー。昨年12月以降もこの光景は変わらない=山梨県早川町(写真の一部を加工して
います)

 駿河湾サクラエビの不漁などとの関係が指摘される富士川水系の濁り。濁りの出ど
ころとされた雨畑ダム(山梨県早川町)に加え、上流の早川本流(同町)でも強い濁
りの存在が明らかになった。現場で何が起きているのか。3月中旬、早川をさかのぼ
り現状を取材した。

 富士川との合流地点から早川上流部に通じる県道37号。最初に気付くのは土ぼこり
をあげながらすれ違うダンプカーの多さだ。川沿いでは工事現場や採石プラントなど
が少なくとも10カ所以上。昨年末に最初の取材をしたが、変わらない光景だ。
 合流地点から約1キロ上流には、河川敷に積まれた高さ十数メートルの“ピラミッ
ド群”。中部横断自動車道のトンネル工事で出た残土の山が見える。
 雨畑ダムに続く雨畑川と早川の合流地点まではさらに約8キロ。民間の水力発電
や、採石業者のプラントが複数ある。操業する平日の川の水はすでに濁り気味。周辺
は地下の導水管が張り巡らされていて、水の流れは非常に複雑になっている。
 早川中流部には、リニア中央新幹線のトンネル残土置き場が河川敷に数カ所。リニ
アの本坑から地上に伸びる「早川非常口」などの工事現場では大手ゼネコンのキャッ
チコピー「地図に残る仕事」が書かれた看板も。周辺を走るのは「中央新幹線」と書
かれたオレンジ色のプレートをフロントガラス内側に掲げたダンプカー。積んでいる
のは「グリーンタフ」と呼ばれる青緑色の土だ。
 近くでは山梨県発注の道路工事現場が複数あり、重機が川床をさらう。周辺を糸魚
川-静岡構造線が通り、土質のためか所々の川沿いで自然の土砂崩れも見受けられ
た。
 富士川との合流地点から約30キロ。早川上流にある山梨県管理の奈良田ダム。導水
管の排水があり、濁りが強い日もある。
 早川を昔から見てきた地元の男性(74)は「自然の濁りは2、3日たてば消えるが、
ここ10年ほど前からはいつまでたっても濁りが消えないようになった。人の手が入り
過ぎ、自然を変えてしまっているのだろうか」と不安げだ。





早川本流も強い濁り 雨畑ダムと別、原因調査へ サクラエビ異変

静岡新聞2019/4/1 07:46)
http://www.at-s.com/news/article/politics/shizuoka/617524.html

<http://www.at-s.com/news/images/n62/617524/IP190331TAN000049000_1.jpg>

(写真)民間の工場放水路(右手前)から駿河湾に流れ出る濁り水。雨畑ダムの濁り
に加え、早川水系の濁りも影響している可能性がある=29日午後、静岡市清水区
原(静岡新聞社ヘリ「ジェリコ1号」から)



サクラエビの産卵場とされる駿河湾富士川河口に民間企業の工場放水路(静岡市
水区蒲原)から濁った水が流れ出ている問題で、出どころとして指摘される雨畑ダム
山梨県早川町)より北の早川本流(同町)でも強い濁りが見られることが、31日
までの取材で分かった。早川水系の濁り水は雨畑ダムから出た濁り水とともにこの企
業の発電用導水管に流入。自然の川の自浄作用がないまま、駿河湾に流出していると
みられる。
 早川水系の周辺では川勝平太知事が「影響を視野に入れている」としたリニア中央
新幹線工事に加え、濁りを出す恐れのある工事が複数箇所ある。静岡県は近く、山梨
県やJR東海に協力を求め原因を探る方針だ。
 静岡新聞社は3月中旬、晴れ続きの平日の日中を選び、民間の環境調査会社ととも
に早川の水質を確認した。雨畑ダム北部の早川本流を約20キロさかのぼって調査。
調べた約10地点のうち上流約20キロでの透視度は100センチ(浮遊物質量1
リットル当たり1・7ミリグラム)でほぼ透明だった。一方、約10キロ地点は透視
度が17・5センチ(同37ミリグラム)と著しく悪化。主因と指摘されてきた雨畑
ダムの濁りの倍以上だった。
 早川では水質汚濁防止法に基づく浮遊物質量の環境基準は設定されていないもの
の、下流で交わる富士川では1リットル当たりの環境基準が25ミリグラムとされ
る。今回の調査結果から、上流10キロ付近では富士川の環境基準を上回る濁りの水
が流れている可能性が示唆される。通年の水質調査が必要だが、山梨県大気水質保全
課によると、対象河川を決める権限は当該県にあり、早川は流域人口の少なさなどを
理由に対象としていないという。
 同県の団体「リニア・市民ネット山梨」(代表・川村晃生慶応大名誉教授)はサク
ラエビ不漁との関係を想定し、質問書を近く長崎幸太郎知事宛てに提出する予定。川
村名誉教授は国にリニア事業の認可取り消しを求めた訴訟の原告団長。
 早川水系では、リニア工事や、山梨県発注の道路災害復旧工事など複数箇所で人の
手が入っている。



静岡新聞2019/2/14 07:44)

 

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12月15日(土)午後1時半〜4時 リニア・大深度トンネル工事についてー私たちにできること

講師:横山聡弁護士(「ストップ・リニア訴訟」弁護団事務局長)
会場:洗足区民センター(大田区


チラシダウンロード(PDF)
https://drive.google.com/file/d/1Aq0_sc-Ro-iBz47jRgLlxSRdL6SIB58B/view?usp=sharing

リニアの大深度使用について、国交省は10月17日認可した。JR東海の住民への説明はまったく不十分であり、かつまた「説明会」でも質問に対して答えもない状態で、住民は多くが「地下工事」について承知していない状態だ。

大田区などの住民が8月9月と国交省へ「認可を降ろさないで」と求め、6月には「公聴会」で理由も述べていたのだが、この議事録は公開されることになっていた。
しかしこの議事録が国交省のホームページに載せられたのは認可と同じ17日だった。
住環境とリニアを考える大田住民の会、住環境とリニアを考える田園調布住民の会の代表が抗議文を手渡した
11月6日 写真

抗議文を手渡しているのは洗足池をリニアから守る会の代表Sさんです。


リニア「大深度地下使用の認可」抗議文