7.18リニア講演会(相模原)報告①

原発とリニア 緊急シンポジウム(7.18 神奈川)報告―1  

 リニア・市民ネットでは、昨年3月より東京・山梨(甲府)・長野(飯田)・院内集会(東京)・岐阜(中津川)・愛知(名古屋)とリニア計画下の沿線5県で計6回のシンポジウムを実行委員として開催してきました。今回は、先月6月7日に神奈川県の中間駅の設置・車両基地の新設が発表された相模原市にて開催し、これまで最多の235名が参加しました。
 

 

 はじめに、原子核工学の専門家である荻野晃也氏(電磁波環境研究所所長 元京大工学部講師)による特別講演「今、原発・福島・リニアを考える!」では、1970年代から地震原発の問題、その後電磁波研究に取り組んで来られたお立場と問題意識から、福島原発放射線と電磁波の類似性や人体への影響、リニアの極低周波や磁界強度の強さなどの危険性を指摘され、情報が全く発表されず、安全性が議論されない原発もリニアも同じであることについてお話がありました。

 特別講演の後、川村晃生氏(慶応大学教授 リニア・市民ネット代表)を司会にパネルディスカッションが行われました。橋山禮治郎氏(千葉商科大学大学院客員教授)は東日本大震災福島原発事故後のリニア計画への考察と費用対効果への疑問、赤堀ひろ子氏(生活クラブ生活協同組合静岡 顧問)は浜岡原発に対する反対運動、野元好美氏(相模原市議会議員)は巨額な中間駅建設費2200億円の地元負担への懸念や求められる相模原市のまちづくり、荻野晃也氏はリニアの電磁波の人体への影響の危険性、について報告されました。
 また、JR東海労働組合からは、多くの問題点がありながら「建設ありき」で議論が進められてきたリニア計画の整備計画化をうけ、リニア建設の中止を含めて会社への申し入れを行ったこと、今後も会社に説明責任を求めていく方針について報告がありました。その他、当日は民主党衆議院議員山崎誠氏も参加され、上関原発問題への関わりやリニア問題へのご関心など、会場にてご挨拶して頂きました。相模原市議会議員も5名参加されていました。

 質疑応答をとおして、原発数基分かと予測されるリニア計画のエネルギーの浪費性についても指摘され、最後に「中部電力株式会社社長 水野明久様 浜岡原発の全炉廃炉及び使用済み核燃料の安全管理に対する要請」及び「リニア中央新幹線計画の見直しを求める集会宣言〜福島原発の事故に際して緊急に宣言する〜」が参加者一同の確認の下、採択されました。

 次回シンポジウムの開催は、静岡県にて原発とリニアをテーマに行うことが決定しました。シンポジウムの内容の詳細については、今後映像記録、紙媒体としてとりまとめ、お知らせします。  
                                    
相模原市民の皆さん! 一緒に考えましょう!
 〜どうする原発!どうするリニア! 当日は多くの市民に呼びかけました〜
 

 当日のシンポジウム開催前には、会場「ソレイユさがみ」の入るスーパー・イオンのある橋本駅駅前広場にて、リニア・市民ネット関係者、JR東海労働組合相模原市民団体「学習グループコスモス」や市議会議員の方々20数名が集まり、1時間に渡る街宣活動を実施しました。


 3連休の最終日のお昼時、家族連れなど多くの通行客がにぎわう中、スピーカーにて東日本大震災福島第一原発事故をうけ、「原発とリニア、この2つは無関係ではありません」「エネルギーは新幹線の3倍! 原発数基分・電力供給体制の圧迫が明らかなリニアを問い直そう」「相模原市に駅誘致2200億円! 私たちの生活はどうなるの?」との切実なる呼びかけを行ない、緊急シンポジウムの開催をお知らせしました。
 代表の川村先生も「ただ今の駅前の大気中の放射線量は0.16マイクロシーベルトです」とマイクを持ち、原発依存のエネルギー浪費型リニア計画について今こそ真剣に考えてほしいと多くの市民に問いかけました。当日は、橋本駅南北の駅前広場にて、チラシ約1200枚を配布しました。(記 リニア・市民ネット 藤田)