異議意見書のその後  大鹿リニアを止める会・宗像さんからの報告

お世話になります。大鹿村の宗像です。

このメールは異議意見書でご協力いただいた
主要な方に送っております。
大変恐縮ですが、お礼とご報告ですので、他にご協力いただいた方に
回覧いたいただけると助かります。

本日、ぼくのほうにも林野庁のほうから
利害関係が認められないため、意見書を不採用とする、
との知らせが来ました。いわゆる門前払いです。
我が家は当該保安林から500mで、
ぼくの知っている限りでは、一番近い申請者ですので、
おそらく他のすべての申請者が不採用になった可能性が高いと思います。
住民生活を危険にさらすリニアを理由に住民の安全を確保するための森が、
喪失することに国が歯止めをかけなかったのは、腹立たしい限りです。

村内には9日からの該当保安林カ所の非常口への夜間大型工事車両の
10日間にわたる通行が予定されており、
林野庁の解除を見据えての動きと思われます。

とはいえ、今回の異議意見書の提出を多くの方といっしょにできたことは
非常に大きな成果だったと思っています。

一つには、2月16日に予定告示され、3月半ばには
告示、掘削と続いていたであろう、手続きが一月半以上のびました。
その間、JR東海は保安林の位置する小渋川非常口の着手ができず、
やむを得ず、2番手としてよていしていた除山非常口の着手を先行させました。
その上、その安全祈願祭も、前宣伝ができなかったのは、
大鹿の人たちのほか、全国の人の力がJR東海を怖気づけさせたという点は
確実にあると思います。

二つには、異議意見書の手続きの過程で、
JR東海の申請の不備や矛盾が明らかになったことです。
残土置き場の未確定にもかかわらず、申請書類で地図で明示、
さらに、代替する案があったにもかかわらず、保安林を解除を
予定告示した点、行政不服審査法による審査請求を現在
長野県に対しても行なっておりますが、
行政のほうも、リニアに関しては、何か不備があれば突っ込まれる、
というのを学習するよい機会になったかと思います。
今後、より公正な行政手続きを求めるにおいて、
重要な足がかりになったかと思います。

三つは、異議意見書を提出する過程で
多くの方のご協力を得られた点です。
大鹿村内の小さな森が、多くの方にとっても
重要な意味があるということ、環境はそこだけで
存在するものではないということを、みなさんと確認できたことは
今回の手続きの過程で得られたもっとも重要な成果です。

まだ解除がなされたわけでもありませんし、
今後の行政手続きや工事の進行についても
監視を続けていきたいと思います。
村内青木非常口についての青木地区での計画も
動きはじめているようです。
とてもスムーズな動きとは見えない現状ですが、
これからも逐次ご報告していきたいと思います。

今後ともよろしくお願いします。

宗像 充(むなかたみつる)*ライター
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〒399-3502 長野県下伊那郡大鹿村大河原2208
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