大鹿の会「陳情書」

 大鹿村住民「地域住民の声に耳を傾けて!」
 長野県知事・県議会議長へ『リニア新幹線計画に対する地元住民の意見を反映した慎重な協議等を求める陳情書』提出(6.28)

  大鹿村の住民(大鹿村村議会議員河本氏・子どもたちの未来を考える大鹿の会代表山根さん)が、長野県知事阿部守一氏及び県議会議長村石正郎氏宛に陳情書を提出しました。

 内容は、リニア計画の必要性への疑問や危惧、また、整備計画決定前後において「この間地元住民にも計画の具体的な内容は知らされず、蚊帳の外に置かれたまま、正式に決定」したこと、県内の動向においては「各地域の建設促進期成同盟との意見交換会であり、すべての地域住民の声を代表したものとは言えない状況」であることを指摘するもの。
 リニア計画下の大鹿村の現状を加え、「豊かな自然を財産とする長野県として、期成同盟だけではない沿線住民の意見を反映した十分な協議と、本来の戦略的環境アセスメントの要件とされてい「ノーアクション」代替案も含めた環境影響についての検討がなされるよう陳情」しています。

◇リニア計画下の大鹿村の現状について(陳情書より抜粋)

 南アルプス長大トンネルの坑口が設けられることが確実な大鹿村は、急峻な山々の間を中央構造線が走り、地質的に大変脆弱で、大雨等で大小の土砂崩れが頻繁に発生しているところです。そんなところにトンネルを掘って大丈夫なのかという不安(当初3km行う予定だった水平ボーリング調査は1kmしか行われていないままです)。
 また、狭い谷間にはトンネル掘削により生じる残土を置く場所がなく、狭い道路を大型ダンプが行き交うことの不安。大鹿村は日本で最も美しい村連合に加盟し、南アルプスの自然景観を生かした村づくりを進めているわけですが、長大トンネルや橋梁の大規模土木工事により村の景観が破壊されるのではないか。さらに、長野県、静岡県山梨県において南アルプス世界自然遺産に登録しようという運動が進められていますが、ただでさえ鹿の食害等で高山植物等も危機に瀕している南アルプス地域に、さらなる大規模土木工事の負荷を課すことは、貴重な南アルプス生物多様性を失わせてしまうのではないか等々の懸念があります。
 また、飯田市では、風越山一帯の水源への影響が懸念されていますし、同様に大鹿村においても、リニアのトンネル工事が水源に影響があることが専門家により指摘されています。しかしながら、水文アセスには長期間要するはずで、JR東海のいう2014年着工のスケジュールでは、十分な調査は不可能だと思います。

◇関連情報

 ☆大鹿村とリニア計画 コラム記事の紹介☆
 「日本で最も美しい村」が直面する現実〜大鹿村の今とこれから
  http://www.n-sns.jp/n-gene/2011/06/post-90.php