リニア・市民ネット「JR東海会長発言に抗議する声明」

JR東海 葛西会長の「原発継続しか活路はない」発言に抗議する声明

「10.23シンポジウムin静岡 NO!浜岡NO!リニア」で決定した、参加者一同によるJR東海葛西会長への抗議声明を、11月11日付で送付しました。

JR東海 葛西会長の「原発継続しか活路はない」発言に抗議する声明

東海旅客鉄道株式会社 代表取締役会長 葛西 敬之殿

 あなたは、今年5月24日、産経新聞原発について推進すべきとする主張を掲載しています。その中に原子力を利用する以上、リスクを承知のうえで、それを克服・制御する国民的な覚悟が必要である。」とあります。さらに「稼働できる原発をすべて、政府の責任で速やかに稼働させるべきだ」とも書いています。

 福島第一原子力発電所は、3月11日の大震災の事故の後、今なお危険な状態が続き、膨大な放射性物質福島県内はもとより、日本中、世界中に排出し続け、多くの避難民を作り出して不安を惹き起こしています。農業、漁業に大打撃を与え、家族を引き裂き、何も責任のない子どもたちにまで大きなリスクを背負わせてしまいました。故郷へ二度と帰ることのできない人たちもいるのです。日本の将来にも暗い影を落とし、会社経営をする方にとって最も重要な関心事のはずの日本経済にも不安を与えているではありませんか。

 政府は真実を伝えず、被災者を棄て去るかのごとき対応に終始しています。そしてこの災難は人の命の時間からすれば、永遠とも言える年数続いていくことになるのです。
 これらの人たちに向かって「リスクを覚悟しろ」と今言えますか?
 この原子力災害の解決のない状態で「すべての原発を稼動させよ」とは、誰に向かって言っているのですか?
 鉄道事業で乗客の命を預かる総責任者の方が、このような人命軽視の理念で経営をしているのであれば、安心してJR東海の電車に乗ることはできない、と言わざるをえません。
 ましてリニアのような超高速鉄道に「リスクを承知して」乗ることはできません。
 リニア中央新幹線計画が膨大な電力を要し、原発の電気を使うという目的のもとに「原発推進」を唱えるのであれば、今こそリニア計画を白紙に戻すことが求められなければなりません。

 このままでいけばあなたは人の命を軽視する経営者として鉄道史にその名を残すことになるでしょう。また、未来の子どもたちの命に対してまったく責任を感じない人間として汚点を残すことになるでしょう。もしこれを望まないのであれば、

1、ただちに「原発推進」の自説を撤回すること
2、「リスクを覚悟せよ」発言について福島県民を初めとする被災者に向け真摯に謝罪すること
3、リニア計画を白紙撤回すること

 以上決断されることを求め発言に強く抗議します。

 2011年11月11日

「10.23 シンポジウムin静岡 NO!浜岡NO!リニア 参加者一同」 代表:川村 晃生 

JR東海 葛西敬之会長 発言 (2011.5.24 産経新聞より)
  http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110524/plc11052403530006-n1.htm