リニア訴訟の「原告適格問題」:訴訟代理弁護団による「控訴理由書」公開

リニア訴訟の現在:訴訟代理弁護団による「控訴理由書」が公開されました。

50ページ以上の文書ですので、目次だけご紹介します。

リニア中央新幹線の課題の数々が、裁判を通しても明らかにされないまま、

控訴人に対して「原告不適格」判決を下した原判決の問題点を指摘しています。

 

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平成28年(行ヌ)第170号 工事実施計画認可取消請求事件

控 訴 人 川村晃生 外・・・531人
被控訴人 国(処分行政庁 国土交通大臣)
参加人 東日本海旅客鉄道株式会社

控訴理由書 2021(令和3)年1月28日

控訴人ら訴訟代理弁護士 高木 輝雄

  • 同  弁護士 関島 保雄

  • 同  弁護士 中島 嘉尚 同 弁護士横山聡

同 弁護士 和泉 貴士

 

目次
1 はじめに............................................................5
(1) 訴訟の意義を顧みない原判決の不当性................................5
(2) 必要性の欠如した中央新幹線計画....................................5

2 原告適格を判断するには判断材料が不十分であり誤った判決であること.... 7

(1) 不当な訴訟指揮....................................................7

(2) 2500分の1の地図の提供が無いこと..............................7

(3) 事故対応が具体的に明らかにされていないこと........................8

(4) 工作物等施設の形状規模等が具体的でなく明らかとなっていないこと....9
(5) 大井川源流部及び南アルプスの水環境等自然環境の保全対策も不十分で明ら かとなっていないこと .................................................. 9
(6) 建設発生土置場及び運搬車両の運行ルート交通量等が判明していないこと11

3 全幹法適用の違法について...........................................12

4 控訴人らの原告適格について.........................................13

第2 原告適格各論....................................................... 14

1 原告適格の判断枠組み...............................................14

(1) 原判決の問題点...................................................14

(2) 行政事件訴訟法9条2項の意義.....................................15

(3) 原告適格という概念の必要性から検討すべきこと.....................15

2 安全な輸送役務の提供を受ける権利の原告適格について.................16

(1) 原判決の問題点...................................................16

(3) 安全な輸送役務の提供を受ける権利が法律上保護された利益であること.17

(4) 取り返しのつかない、不可逆的な被害の発生のおそれがあること.......18
(5) 小括.............................................................21
3 南アルプス及び各地域の良好な自然環境を享受する利益、自然環境の保全を求 める権利並びに自然と触れ合う権利についての原告適格について............. 21
(1) 原判決の問題点...................................................21

(2) 南アルプスの権利が法律上保護された利益であること.................22

(3) 違法な処分により希少な自然環境が不可逆的に失われるおそれがあること27

(4) 小括.............................................................31
4 物権的権利者及び居住者の原告適格について...........................32

(1) 原判決の判断.....................................................32

(2) 原告適格の要件は狭く解するべきではないこと.......................32

(3) 全幹法は物権的権利の保護を法の趣旨及び目的としていること.........32

(4) 財産権も法律上保護された利益にあたること.........................35

(5) 所有権等は法律上保護された個別的利益にあたること.................36

(6) リスクから保護される利益.........................................39

(7) 小括.............................................................39

5 建設発生土の運搬車両の運行に起因する騒音・振動・大気汚染・交通渋滞につ いて ................................................................... 40
(1) 原判決の判断.....................................................40

(2) 法の予定する環境影響評価のあり方.................................40

(3) 本件評価書を「重要な目安」とすることは誤りであること.............42

(3) 評価書以外の情報を「重要な目安」としなかったことの誤り...........43

(4) 被控訴人の方にこそ「著しい被害を直接的にうけるおそれがあるものと想定 される地域」ではないことを立証すべき責任があること ................... 45
(5) 「裁判をするのに熟したとき」(民事訴訟法245条)に該当しないこと46
(6) 既に搬出経路が決定されている地域については、住居から経路までの距離等 を参考に、「著しい被害を直接的にうけるおそれがあるものと想定される地域で あるか否か」を決定すべきであること ................................... 47
6 景観利益の原告適格について.........................................49

(1) 原判決の判断.....................................................49

(2) 法令の仕組み.....................................................49

(3) 景観利益を法律上保護する利益と認めた判例等.......................51

(4) 景観利益が具体的な権利として認められるべきであること.............52

(5) 景観に対する環境影響が不可逆的な被害となること...................52

(6) 小括.............................................................53
7 水資源利用の安全性・継続性.........................................53

(1) 相模川を水源とする水資源.........................................53

(2) 原告適格(飲料水(上水道))に関する主張の追加...................54