8.13・14 リニア講演会(飯田・伊那)

8月報告 広瀬隆氏 リニア講演会 

 「南アルプスの自然を愛する会全国ネット」(長野県大鹿村住民有志)が、広瀬隆氏による東海大地震やリニアなど地域の課題について学習する夏休み特別講演会を企画。8月13日に飯田市、14日に伊那市にて開催され、両日ともに約50名が参加した。

  広瀬氏は「リニア中央新幹線は狂気の計画」と題し、「計画の進め方が理不尽である」、「日本有数の大地震地帯における活断層が恐怖である」、「南アルプスの自然破壊を許してはならない」「必要性が全くない」、「電磁波の危険性がまったく無視されている」ことの議論を展開し、これまでの一連のリニア計画の審議における国民の不在性や計画そのものの無用さ、非常識さ、不採算性、危険性を次々に指摘。革新的な技術と実用化は全く別ものであり、100%成り立たないものと批判。

 
  また長年原発の危険性を訴え、福島第一原発事故発生後も精力的に脱原発を呼びかけきた立場と経験から、リニアは「原発の電力浪費を目論んでいる超危険なプロジェクト」と強調。リニアが必要とする原発数基分に匹敵するエネルギー量について、「リニア・プロジェクトが進めば、今や廃炉が決定的な浜岡原発の再稼働につながるので、金輪際許されることではない」と力説した。

 
  さらに、東海道地震発生や日本最大の活断層である中央構造線一帯の地殻変動のメカニズム、年平均4ミリ以上、100年で40センチと国内でも最大級とされる南アルプスの隆起速度、放射能による原発震災の脅威などを会場にも視覚的に分かりやすく説明。今この時期に、地震発生の可能性の高まる大断層の上にリニアを計画することの意義を問い正し、リニア計画の撤回を訴えた。

  2日目は、会場からも今般の原発震災や放射能被害についてなど多くの熱心な質疑応答がなされ、活気ある講演会であった。(記 リニア・市民ネット 藤田)